産業革命が起きる時には一定のタイミングがある。それは、人の情報共有の障壁が取り除かれた時であるように思う。「文字」は言葉を初めて残せるようし、コミュニケーションの即時性という障壁を取り払った。「印刷技術」は「文字」の量産を可能にした。これにより「文字」の共有に費やす苦労は大きく取り除かれた。「写真」は視覚を他者に伝える「文字」となった。そして、「写真」から発展した「映像」は出来事を他者に伝える「文字」となった。そして、「コンピューター」は、これまで生まれた全ての情報共有手段を用いるハードルを劇的に下げた。「コンピューター」によって、人は「文字」、「印刷技術」、「写真」、「映像」、その他従来の全ての情報共有手段を容易に活用することが可能になった。そして、「インターネット」。この技術は「コンピューター」を土台にしているが、性質は大きくことなる。「コンピューター」が既存の状況メディアへのアクセスを容易にしたとすると、「インターネット」はそこから生み出された情報の共有にかかる障害を劇的に減らした。情報は瞬時に送り、受け取れ、複製できる。それらにかかるコストはゼロに等しい。

そして、それぞれの情報共有革命後には産業の変革、つまり革命が起こっている。印刷技術に関しては、産業革命のみならず宗教革命、市民革命まで起こしている。と考えるとコンピューターとインターネットもそのレベルの革命なのだが、革命の真っ只中にいる内は革命の進行に気づくのは難しいかもしれない。

こう振り返ると、メディアの発展には大きく2種類の方向性があるように思える。ひとつは新しい情報の共有を可能にする。もう一つは、既存の情報共有のハードルを下げる。そう考えると、「VR/AR」もこの路線上にあると考えることが出来る。これらの技術は「人間の五感全てで受け取れる情報全てを共有可能なものにしてしまおう」という究極の目標に向かっているように思う。

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